Abbey Road
数あるビートルズのアルバムで1番好きなアルバムは?と訊かれたら僕はこの「アビー・ロード」と即答できます。

そのくらい完成度の高いアルバムだと思っています。
4人が横断歩道を歩くこのジャケットはあまりにも有名です。

発売されたのは「レット・イット・ビー」よりも先ですが、それはアルバム「レット・イット・ビー」が様々な問題を抱えていたためで、実質的にはこの「アビー・ロード」が「レット・イット・ビー」よりもほとんどが後にレコーディングされておりビートルズのラスト・アルバムと言えます。(オーケストラのダビングなど「アビー・ロード」より「レット・イット・ビー」収録曲の方が後に行われているので名実共に「レット・イット・ビー」が
ビートルズのラストアルバムだとする説もありますが・・・)
レット・イット・ビー

プロデューサー、フィル・スペクターの介入などのゴタゴタにより発売が「アビー・ロード」より後になったアルバムですが、個人的には演奏が散漫な印象を受けるアルバムです。
「ロング・アンド・ワインディング・ロード」などの過剰なオーケストラアレンジがポール・マッカートニーは大嫌いで後年まで二人は犬猿の仲です。
レット・イット・ビー・ネイキッド

2003年にフィル・スペクターの過剰なプロデュースを排除して本来ビートルズのメンバーが望んでいたサウンドにリミックスして発表されたのがこの「レット・イット・ビー・ネイキッド」です。収録曲は「レット・イット・ビー」とは若干異なりますが、アルバム全体では無駄がそぎ落とされてソリッドになった印象で僕は断然こっちの方が好きです。

ビートルズにとって「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から始まった”コンセプト・アルバム”(アルバム全体にストーリー性を持たせた作品)の集大成がこの「アビー・ロード」だと思います。
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

ポピュラーミュージックの金字塔として現在でも高い評価を得ているアルバムです。
アルバム全体を架空のバンドのショーに見立てたコンセプトと、多重録音を駆使した手法はその後の音楽界に計り知れない影響を与えました。
アナログ盤~アビー・ロード

当時はもちろん「アビー・ロード」はアナログ盤でした。
いわゆる”LPレコード”と呼ばれた物です。

僕が中一の時、初めて買ったLPレコードがこの「アビー・ロード」でした。当時で2,200円しました。必死に小遣いを貯めて買いました。先ほど調べたら国鉄(現JR)の初乗りが30円(現在は140円)の時代なので中学生にしては相当な大金です・・・それこそ清水の舞台から飛び降りるくらいの思いで、震える両手でレコードを持ち「これ!ください!」と言った記憶があります。

もはやCDもなくなりそうな時代なので若い方で知らない方もいるかもしれませんが、レコードにはA面、B面があります。A面の再生が終わると手作業でレコード盤をひっくり返してB面を聴くのです。

アナログ盤「アビー・ロード」はA面が、

1,Come Together
2,Something
3,Maxwell’s Silver Hammer
4,Oh!Darling
5,Octopus’s Garden
6,I want You(She’s So Heavy)

の6曲です。レコードに針を落とした途端に「Come Together」の印象的なベースラインとドラムの6連符のフィルにノックアウトされます。そしてジョージ・ハリスンの名バラード「Something」へと続き「アビー・ロード」ワールドに引き込まれます。

A面ラストはジョン・レノンがメイン・ボーカルの「I want You(She’s So Heavy)」ですが、後奏になってヘビーなロックフレーズのリフレインで緊張感を増長しクライマックスに達した時点でカットアウトになります。当時夜中にヘッドホンで聴いているとこのリフレインに何故か恐怖を感じました。カットアウトになって「ああ怖かった・・」「ふー」っと溜息をついてレコードをひっくり返すのでした。

そしてB面が、
1,Here Comes The Sun
2,Because
3,You Never Give Me Your Money
4,Sun king
5,Mean Mr.Mustard
6,Polythene Pam
7,She Came In Through The Bathroom Window
8,Golden Slumbers
9,Carry That Weight
10、The End
11、Her Majesty
の11曲でした。

B面に針を落とすと、先ほどのA面ラストの「I want You(She’s So Heavy)」の緊張感を解き放つかの如くアコースティックギターの爽やかな「Here Comes The Sun」からスタートします。この曲も「Something」同様にジョージ・ハリスンの名曲です。

A面の6曲は3~4分の通常のポップス的な長さの曲がほとんどでしたが、B面は徐々にですが1分前後の短い曲のたたみかけるようなメドレー形式になっていきます。この流れの演出が見事なのです。45年以上聴いていますが、何回聴いても毎回ワクワクします。

そして10曲目の「The End」でフィナーレを迎えます。

無音状態が14秒あり、当時は「隠しトラック」としてクレジットされていなかった11曲目の「Her Majesty」をもってして「アビー・ロード」は心地よい余韻を残して幕を閉じます。

こうしてレビューを書きながらも改めて素晴らしいアルバムだなと再認識しています。

50年経っても全く色褪せないビートルズの最高傑作アルバムだと思っています。
(サトーB)